涙が止まらなくて、気が狂いそうなくらい辛い。今のあなたは、そんな気持ちを抱えていませんか。

大切な存在を失った悲しみに、涙が止まらなくなるのは自然なことです。おかしくなったわけではありません。

とはいえ、そろそろ前を向いて、亡くなった子のためにも、元気でいなければと考えている方もいるでしょう。

この記事では、ペットロスによる涙や辛さがなぜ起こるのか、その感情とどう向き合い、少しずつ前を向いていけるのかをお伝えします。

Harucaのカウンセラーは公認心理師・臨床心理士として、そしてこれまで5匹の愛犬を自宅で看取った当事者として、あなたの涙に寄り添います。

Haruca Pet Journal 執筆者
愛犬・愛猫とかけがえのないひとときを過ごすためのメディア Haruca Pet Journal

Haruca Pet Journalは、愛犬・愛猫とかけがえのないひとときを過ごしたいあなたのためのメディアです。5匹の愛犬を看取ってきた公認心理師・臨床心理士の監修のもと、ペットとの日々の過ごし方から、看取り・グリーフケアに関する記事まで執筆しています。

布辻真規 監修者
公認心理師・臨床心理士 布辻真規

5匹の愛犬を看取ってきた公認心理師・臨床心理士。ペットロスに関するグリーフケアが強みであり、カウンセラーとして、公立高校・通信制高校でのカウンセリング・心理的コンサルテーション、心療内科でのリワーク、子育て支援室での発達心理相談、流産・死産経験者のピアグループのサポートなど、多様な現場で心理支援に携わる。

ペットロスで涙が止まらなくて辛い・気が狂いそうは自然な反応

大切な家族を失い、涙が止まらない。気が狂いそうなほど辛い。そんな状態で、この記事にたどり着いたのではないでしょうか。

まず、はっきりとお伝えしたいことがあります。その辛さは、けっしておかしなものではありません。

かけがえのない存在を亡くしたとき、涙があふれて止まらなくなったり、感情が大きく揺れ動いたりするのは、誰にでも起こりうる自然な反応です。気が狂いそうだと感じるほど辛いのは、それだけ深く愛していた証でもあります。

布辻真規
公認心理師・臨床心理士布辻真規

一方で、全く涙が出てこなくて、他の人のように悲しめない自分は、愛情が足りないのではないかなど思われる方もいるかもしれません。

それも自然な反応で、あまりのことに今はどのように感情表出してよいか自分の中で混乱をしていることがあります。

今は混乱しているのだと自分で自分に伝えてみてください。

Harucaを監修する公認心理師・臨床心理士は、これまで多くの方のペットロスに向き合ってきました。同時に、自宅で5匹の愛犬を看取った、当事者でもあります。

専門家としての知識だけでなく、同じ悲しみを経験した一人として、あなたに伝えたいことがあります。

その悲しみに、優劣はありません。今どれほど辛くても、その気持ちを否定する必要はないのです。

この記事では、涙が止まらない状態の正体や、自分を責めてしまう心の動き、そして少しずつ前を向いていくための考え方について、順にお話ししていきます。

まずは、今のあなたが感じている感情そのものについて、見ていきましょう。

仕事や学校があるのに涙が止まらない|辛い・気が狂いそうな感情の正体とは

涙や感情の波は、なぜ抑えられないのか

涙が止まらないのは、心と体が大きな喪失に反応しているからです。無理に抑え込もうとしても、うまくいかないことが多いでしょう。

大切な家族を失うことは、心にとって非常に大きな出来事です。涙があふれる、胸が締めつけられる、感情が急に高ぶる。こうした反応は、脳や心が「大切な存在がいなくなった」という事実に向き合おうとしているために起こります。

気が狂いそうだと感じるほどの辛さも、同じ理由から生まれます。けっして、あなたの心が弱いからではありません。

だれかを深く愛したからこそ、その反応も大きくなる。そう捉えていただければと思います。

仕事中や日常でふいに涙があふれてしまうとき

仕事や学校に出ているとき、急に涙があふれてしまう。そんな経験をした方も多いのではないでしょうか。

会議中にふと涙ぐんでしまうこともあります。電車に乗っていて、急に涙が止まらなくなることもあるでしょう。そうした瞬間は、けっしておかしなことではありません。

普段通りに過ごそうとしていても、ふとした瞬間に悲しみがあふれ出すことがあります。テレビでその子に似た姿を見かけたとき。空になった食器を片づけているとき。悲しみは、私たちの予告なしに訪れます。

ポイント

日常生活を送れているのに涙が止まらない自分を、責めなくて大丈夫です。それは、悲しみと日常を同時に生きようとしている証でもあります。

その辛さがどこから来るのか、次のセクションでもう少し丁寧にお伝えしていきます。

悲しみに、優劣はありません

Harucaのカウンセラーは、これまで自宅で5匹の愛犬を看取ってきました。公認心理師・臨床心理士としての専門知識だけでなく、同じ喪失を経験した一人でもあります。

悲しみの形は毎回違ったと、監修者であるカウンセラーは振り返ります。慣れることも、軽くなることもなかったそうです。

これは事実として、お伝えしておきたいことです。5回経験したからといって、6回目が楽になるわけではありません。悲しみに慣れるということは、起こらないのです。

ここから導かれる考え方があります。悲しみに、経験の多さや期間の長さによる優劣はない、ということです。

今あなたが流している涙を、誰かと比べる必要はありません。

だからこそ、Harucaでは「あなたの悲しみは、こういうものです」と決めつけることをしません。専門的な知見をお伝えしながらも、同じ立場でその辛さに耳を傾けたいと考えています。

気が狂いそうなほど辛いという感情も、涙が出てこないのはなぜという気持ちも、涙が止まらないという状態も、あなただけのものとして受け止めます。

布辻真規
公認心理師・臨床心理士布辻真規

悲しみの形だけでなく、思い出もそれぞれ違います。一緒に過ごした時間、経験、一つ一つが大切だと感じています。

自分を責めることが止まらないあなたにカウンセラーから伝えたいこと

なぜ「自分のせいだ」と思ってしまうのか

自分を責めてしまうのは、それだけ深く愛していたからです。決して、あなたが悪かったわけではありません。

「朝、いつもと様子が違うと感じていたのに、すぐに動物病院へ連れて行かなかった」「もっと定期的に健康診断を受けさせていれば」。そうした思いが頭から離れず、涙が止まらなくなる方は少なくありません。

大切な存在を失ったとき、人は「なぜ」という問いを探そうとします。理由が見つかれば、この辛さに納得できるかもしれない。そんな気持ちが、無意識のうちに自分を責める方向に向かってしまうのです。

気が狂いそうなほど自分を責めてしまう。その感情もまた、自然な反応のひとつとして受け止めていただきたいと思います。

その気持ちを、どう扱えばいいか

自分を責める気持ちは、無理に消そうとしなくて大丈夫です。まずは、その感情があることをそのまま認めてあげてください。

ポイント

ここで一つ、心にとめておいていただきたいことがあります。「あのときこうしていれば」という思いは、事実というより、今のあなたの心が作り出した解釈であることが多いのです。

当時のあなたは、そのときにできる精一杯の判断をしていたはずです。

事実と、自分を責める解釈を、少しずつ切り分けて眺めてみる。それだけで、心の負担がわずかに軽くなることもあります。

布辻真規
公認心理師・臨床心理士布辻真規

このように言われると、そう解釈する自分が悪いんだという気持ちになることもあるかもしれません。その気持ちも含めどんな気持ちも当たり前のものだと考えています。

つらい、悲しい、寂しい。そうした感情を我慢して押し込める必要はありません。次の章では、その気持ちとどう向き合っていけるか、もう少し具体的にお伝えしていきます。

「もう飼わない」気持ちも、悲しみを繰り返すのも否定しなくていい

「もう飼わない」「飼わなきゃよかった」と思うのは自然なこと

「もう二度と飼わない」「こんなに辛いなら、飼わなければよかった」。そう思ってしまう自分に、戸惑っていませんか。

その気持ちは、責められるようなものではありません。今の悲しみが、それだけ深いことの表れです。

新しい出会いを想像しただけで、拒否反応が出てしまう。今の子への裏切りのような気がしてしまう。そうした感情も、すべて自然な心の動きです。

無理に前向きになろうとしなくて大丈夫です。今は、そう思う自分をそのまま認めてあげてください。

いつか気持ちが変わることもあれば、変わらないこともあります。どちらの答えも、間違いではありません。

落ち着いたはずの悲しみが、ふと戻ってくる理由

悲しみは、まっすぐ減っていくものではありません。落ち着いたと思っても、ふとした瞬間に強く戻ってくることがあります。

数か月経って涙が減っていたのに、ある日また気が狂いそうなほど辛くなる。誕生日や季節の変わり目に、急に涙が止まらなくなる。そうした波は、珍しいことではないのです。

布辻真規
公認心理師・臨床心理士布辻真規

特に誕生日や家にやってきた日、お別れをした日などの前には、当時の記憶が呼び戻されて悲しみが戻ってくることが多くあります。

これを記念日反応といいます。

ポイント
  • 悲しみは一直線に減っていくものではなく、寄せては返す波のように形を変えながら続いていく
  • 戻ってきたからといって、後退したわけではない
  • 「もう乗り越えたはずなのに」と焦る必要はない

悲しみが戻ってくることも、あなたの心が正常に働いている証といえます。

今のあなたの状態は、けっして特別ではありません。次の章では、その揺れ動く感情と、どう付き合っていけるかをお伝えしていきます。

ペットロスの涙が止まらない・辛いといった感情を乗り越えて前を向くために

感情を我慢せず、出していい

涙も辛さも、我慢せずに出していいものです。抑え込むより、あふれるままにするほうが、心にとっては自然なことだからです。

泣きたいときに泣く。辛いと口に出す。誰かに話を聞いてもらう。そうした行為は、悲しみを外へ逃がす大切な手段です。

「もう泣くのはやめよう」と無理に自分を止める必要はありません。気が狂いそうなほど辛い気持ちも、抑えるより認めるほうが、少しずつ落ち着いていくことが多いのです。

ただ吐き出す場所があるだけで、心が軽くなることがあります。

自分の変化を書き留めてみる

一人で抱えているのが辛いときは、紙に書き出すだけでも構いません。今の辛さは、ずっと同じ強さで続くわけではありません。日によって波があり、少しずつ形を変えていきます。

「今日はとても辛かった」「今日は少しだけ穏やかだった」。そうした状態を、簡単なメモに残してみてください。日記のように詳しく書く必要はありません。一言だけでも十分です。

ポイント

書き留めておくと、後から振り返ったときに気づけることがあります。「先週より、涙の回数が減っている」「あの日は特に辛かったけれど、理由があった」。そんな小さな変化に気づけると、今の自分を客観的に見つめ直すきっかけになります。

辛い最中は、ずっとこのままだと感じてしまいがちです。けれど記録は、あなたのペースで進んでいることを、静かに教えてくれます。

一人で抱えきれないときは、専門家に話すという選択肢

辛さが強すぎて日常に支障が出るときは、専門家に頼ることも一つの助けになります。心療内科や精神科の受診は、もっとも辛い時期をやり過ごす手段として役立つことがあります。

「病院に行くほどのことだろうか」と迷う方も多いのではないでしょうか。その迷いも、そのまま持ってきていただいて構いません。

Harucaのカウンセリングでは、辛い気持ちのやり過ごし方を一緒に考えるとともに、受診を迷う気持ちについてもお伺いしています。医療機関につなぐべきかどうかも含めて、話しながら整理していくことができます。

注意

涙が止まらない状態が続くと、気力そのものが失われていくこともあります。心当たりのある方は、ペットロスの無気力は自然な心のサイン|気力がない状態から前に一歩進むにはもあわせてご覧ください。

一人で抱え続けなくていい。そう思えるだけでも、心の負担は変わってくるはずです。

ペットロスで涙が止まらない・辛いといった感情を抱える人によくある質問

ペットロス症候群という診断名は本当にあるのですか

正式な医学的診断名ではありません。ただ、ペットを亡くしたことで、身体やこころに不調をきたす状態を指して、ペットロス症候群と呼ぶことがあります。

涙が止まらない、気力がわかない、眠れない。こうした反応は、喪失に対する自然な心の働きとして知られています。病名として恐れる必要はなく、「今、悲しみのただ中にいる」ことを表す言葉として捉えていただければと思います。

ペットロスの辛さはいつまで続きますか

決まった期間はなく、個人差が大きいものです。数週間で落ち着く方もいれば、年単位で悲しみと付き合っていく方もいます。

良くなったと思っても、ふとした瞬間に辛さが戻ってくることもあります。それも自然な経過のひとつです。

布辻真規
公認心理師・臨床心理士布辻真規

最初は大丈夫だと思っていても、遅れてやってくる悲嘆もあります。そのような可能性を知っているだけでも、自分の状態を理解する助けになります。

亡くなったあの子にまた会いたいと思うのはおかしいことですか

おかしなことではありません。会いたいという気持ちの強さは、それだけ深く愛していたことの表れです。

時間が経ってからも、ふと会いたくなる瞬間が訪れることがあります。その気持ちを消そうとする必要はなく、そのまま持っていて構いません。

カウンセラー自身はペットロスの辛さをどう乗り越えたのですか

悲しみを消し去るというより、悲しみとともに生きる形を見つけてきた、というのが実感に近いそうです。5匹を見送った今も、思い出すたびに胸が締めつけられることがあるといいます。

辛さが完全になくなる日を目指すのではなく、その悲しみを抱えながらも、少しずつ日常を取り戻していく。そんな道のりだったと話しています。

注意

もし今の辛さが強すぎて日常に支障が出ているようであれば、心療内科や精神科を受診することも、最も辛い時期をやり過ごす助けになります。Harucaのカウンセリングでも、辛い気持ちのやり過ごし方とあわせて、受診を迷う気持ちについてもお伺いしています。気力が湧かない状態が続いている方は、ペットロスの無気力は自然な心のサイン|気力がない状態から前に一歩進むにはもあわせてご覧ください。

まとめ

ポイント
  • 涙が止まらず気が狂いそうなほど辛いのは、深く愛したことの自然な反応であること
  • 自分を責める気持ちも、悲しみが繰り返し戻ってくることも、否定しなくていいこと
  • 感情は我慢せずに出していいこと
  • 辛さは日によって波があり、ずっと同じ強さではないこと
  • 一人で抱えきれないときは、専門家に頼るという選択肢があること

伝えたいことは、最初からひとつだけです。あなたが今感じている辛さは、けっしておかしなものではありません。

気が狂いそうな気持ちも、涙が止まらない日々も、大切な存在を失った人に起こりうる自然な反応です。その悲しみを、どうか一人で抱え込まないでください。

「相談するほどのことだろうか」と迷う方もいるかもしれません。うまく話せる自信がなくても、今は大丈夫です。話がまとまっていなくても、涙が止まらないまま話し始めても構いません。

Harucaのカウンセラーは、公認心理師・臨床心理士としての専門知識に加え、自宅で5匹の愛犬を看取った経験を持つ、同じ悲しみを知る一人でもあります。

前を向くペースは、人それぞれです。今はまだ、涙があふれるままでいい時期かもしれません。あなたのペースで、少しずつで大丈夫です。

その涙に、静かに寄り添う場所として。Harucaのオンラインカウンセリングが、あなたの辛さを話す選択肢のひとつになれたらと思います。

Haruca Pet Journal 執筆者
愛犬・愛猫とかけがえのないひとときを過ごすためのメディア Haruca Pet Journal

Haruca Pet Journalは、愛犬・愛猫とかけがえのないひとときを過ごしたいあなたのためのメディアです。5匹の愛犬を看取ってきた公認心理師・臨床心理士の監修のもと、ペットとの日々の過ごし方から、看取り・グリーフケアに関する記事まで執筆しています。

布辻真規 監修者
公認心理師・臨床心理士 布辻真規

5匹の愛犬を看取ってきた公認心理師・臨床心理士。ペットロスに関するグリーフケアが強みであり、カウンセラーとして、公立高校・通信制高校でのカウンセリング・心理的コンサルテーション、心療内科でのリワーク、子育て支援室での発達心理相談、流産・死産経験者のピアグループのサポートなど、多様な現場で心理支援に携わる。